Fishing Takeo

  マダコ
【別 名】タコ、アカシダコ
【漢字名】真蛸
【英 名】COMMON OCTOPUS
 ■ 魚形 ・ 生態 ・ 漁場
腕の長さは、どれもほぼ同じで、1本の腕に70〜80個の吸盤がある。雄は雌より大きくて、各腕
の基部近くに大きな
吸盤が見られ、生殖の役割を担う右の第3腕が、他の腕よりもやや短い。
沿岸の浅い岩礁とその周辺に生息し、主
に甲殻類や二枚貝類を捕食する。産卵期は春と秋。
岩棚の下や岩礁の割れ目などに房状の卵塊を産みつける。産
卵後の雌は、絶えず新鮮な海
水を送ったり、表面のごみをとり除いたりして、卵の世話をする。寿命は、1〜2年と考
えられて
いる。北米大陸東部とオーストラリアとニュージーランドを除く世界の温帯〜熱帯海域に分布
する。
体長60cm。  本州周辺では壺を使った「蛸壺漁」や底曳網で漁獲される。瀬戸内海の
明石沖で漁獲されるものは、
「明石ダコ」と呼ばれ、高値で取り引きされる。
 ■ 釣り
釣り期は夏と冬だが、正月のお節料理に使われるため、特に12月の釣りに人気がある。普通は
船釣りで、タコテン
ヤという独特の仕掛けを用いた手釣りでねらう。同じ仕掛けで胴突きザオを使
うこともあるが、手釣りには、テンヤに
タコが乗る独特の釣り味がある。
この釣りの基本は、テンヤを海底から離さないで小刻みに小突き続けること。船から離れた場所
にテンヤを投入す
ると、糸フケが出てうまく小突けないので注意。タコがテンヤに乗るとずしっとし
た重みが手に伝わるので、数秒待っ
てから大きく合わせるとしっかり掛かる。餌はイシガニやガザ
ミ(ワタリガニ)などで、腹部を上にしてタコテンヤに結
びつける。  砂浜や堤防から投げ釣りで
ねらうこともあるが、それほど遠投の必要はない。一か所にとどまらずに、
足元から沖めまで、丹
念に探るのがこつ。
 ■ 料理
世界中の暖海でとれるが、近海物は身が締まって最もおいしいとされる。小ぶりのものが、柔らか
て味もよい。刺身、酢の物、煮物、揚げ物、和え物などに向く。

【 刺身 】

生のままだと衛生的な調理が難しいため、刺身といっても、普通はゆでたものを食べる。腕の太い
分はそぎ切り、細い部分はぶつ切りにして皿に盛る。普通はワサビとしょう油で食べるが、梅肉
をつけ
て食べてもおいしい。

●ゆで方

1、わた、眼、口を切りとる。
2、
塩をたっぷりとまぶし、厚手のゴム手袋をした手でよくもんでぬめりを落とす。
3、
腕のつけ根に切り込みを入れ、番茶をひとつまみ加えた薄塩の熱湯に腕の先からゆっくりと入
  れて、
数分ゆでる。
4、
ゆで上がったらつるして冷ます。