Fishing Takeo

  ウミタナゴ
【別 名】タナゴ、キン、セマツダイ
【漢字名】
【英 名】TEMMINCK'S SURFPERCH
 ■ 魚形 ・ 生態 ・ 漁場
体色が青みを帯びたマタナゴと呼ばれるものと、赤褐色のアカタナゴと呼ばれるものの2型があ
るが、どちらも吻部に
2本の暗色の斜帯があることで、近縁のアオタナゴと区別できる。沿岸の
藻場を中心とした岩礁に生息し、特に外洋に
面した磯を好む傾向がある。小型の甲殻類など
を捕食する。胎生魚として知られ、雄は臀びれ前方に体内受精のため
の交尾器に似た突起
がある。また、雄の臀びれの軟条は糸状に伸びるが、雌の臀びれはその中央付近がわずかに
入する程度である。晩秋に交尾が行われ、母体内で孵化した仔魚は、母体から栄養の供給
を受けて育ち、初夏に全長
6cm前後になって生まれてくる。 北海道から九州、朝鮮半島南部
に分布する。全長25cm。
 ■ 釣り
塩分の濃い所を好む魚なので、大きな河川の流れ込むような場所は嫌う。波の静かな小磯や
岩礁帯の堤防周りで、海
藻の繁茂する場所が好ポイント。アミと配合餌を混ぜて寄せ餌をつくり、
少量ずつまきながら魚を寄せてウキ釣りをする。
つけ餌はイソメ類やオキアミなど。
ポイントが足元近くの場合は、硬調の渓流ザオにシモリ仕掛けで釣る。この釣り方はウミタナゴ
の微妙なアタリをとらえ
やすい。
ポイントが遠ければ、磯ザオとスピニングリールを用い、立ちウキ仕掛けで釣る。立ちウキに現れ
るアタリは、食いがよ
ければウキが消し込むが、ふっと止まったり、食い上げて横に寝ることもある。
 ■ 料理
身は白くてやや柔らかく、味は淡白だが、特有の臭みがある。刺身向きではなく、開いて生干し
にしたものを焼くか、ショウガを加えて甘辛く煮つけるとよい。ほかに、酢に漬け込んで
骨まで柔ら
かくした、生まれる前の仔魚を食べたりもする。