Fishing Takeo

  マ サ バ
【別 名】ノドサバ、ヒラサバ、ホンサバ、サバ
【漢字名】真鯖
【英 名】CHUB MACKEREL
 ■ 魚形 ・ 生態 ・ 漁場
 近縁のゴマサバに似るが、本種では腹部に小さな暗色斑がないことで区別できる。眼に脂瞼
が発達し、背びれと臀
びれの後方に各5個の小離鰭がある。沿岸の表〜中層を群泳し、小型の
甲殻類や魚類などを捕食するが、水深300
m付近で採捕された記録もある。また、カジキ類やマ
グロ類などの重要な餌にもなっている。日本周辺には、太平洋、
日本海、東シナ海を中心とする
3グループがあり、それぞれ季節的な回遊を行う。産卵期は冬から夏で、熱帯海域に
近いほど時
期が早い。日本、世界の温帯〜亜熱帯海域に分布する。1歳で全長約25cm、2歳で約33cm、4
歳で約
40cmになり、最大で全長50cmに達する。主な漁場は太平洋沿岸部で、巻網、定置網、
延縄、釣りなどによって多量
に漁獲される。漁期は、暖海域では春から夏が中心となるが、周年
である。鮮魚のほか、缶詰や塩干物としても利用
される。特に水煮缶は、海外で人気が高く、日
本からアフリカ諸国などへ輸出されている。
 ■ 釣り
 関東地方には1960年代後半までマサバを対象とした釣り船が存在したが、安価な魚として扱わ
れたこともあって人
気がなくなり、魚離れの風潮に合わせて衰退した。その後、生息状況が変わり
個体数も減ったことなどから、良型は
市場でも高級魚となり、船釣りで専門にねらっても、多数釣る
ことは難しい対象魚になっている。
船では主に片天ビン仕掛けでねらう。仕掛けを下ろしたら底を数メートル切り、アタリがなければ、
徐々に上げてタナ
を探る。マアジも似た場所にいて混じることが多いため、マサバだけをねらう場
合は、同乗の人の中で、釣れ出した人
のタナに全員が合わせないと能率が落ちる。また、中層の
タナで小〜中型のサバが掛かっても、底近くに大型がいる
場合もあり、あえてタナを変えて確認す
ることも必要。餌はサンマやサバの短冊などを用いる。
堤防からは、寄せ餌を用いたサビキ釣りでねらうのが一般的。群れの密度が高い時などには、寄
せ餌が要らないこ
ともある。また近年は、オフショア(沖合)のルアー・フィッシングの対象魚として
も扱われるようになった。
500gから1kgにもなると、海底近くから表層まで、ジギングで意外に引きを楽しめる。時には食い上
げてばれたかと思
わせる動きもあり、ライトタックルのやりとりの練習にはうってつけである。
 ■ 料理
青魚のひとつで、味に特有のくせがあることから好き嫌いが大きく分かれる。生のまま食べること
は少なく、酢で締めるか、火を通す。身が柔らかくなり始めると急速に味が落ちるので、早
めに食
べた方がよい。釣り上げたマサバのわたには、アニサキスという寄生虫がいることがあ
るので、早
めにわたをとり出せば、身の方へ移る心配がなくなる。 
たくさん釣れたら、干物や燻製にすると
保存が利く。ほかに塩焼き、みそ煮、フライ、ムニエルな
どに向く。

【 豆板醤ソテー 】

半身をふたつに切り、ショウガ汁、酒、しょう油で下味をつける。みじん切りの長ネギとショウガを炒
め、香りが出てきたら皮を下にして魚を入れ、両面を焼く。しょう油、酒、水各大さじ1、砂糖、
豆板
醤各小さじ1を合わせて加え、煮立ったら弱火にして煮詰める。

【 締めサバ 】

3枚におろし、腹骨をとってたっぷりと塩を振る。1〜2時間おいてなじませてから洗い、水気をふき
とる。酢で締めたら、切りかけ造り(浅い切り目を入れながら切る)にする。