Fishing Takeo

  キンメダイ
【別  名】マキンメ、アカギ、マキン
【漢字名】金眼鯛、金目鯛
【英  名】ALFONSINO
 ■ 魚形 ・ 生態 ・ 漁場
 体は鮮紅色で側扁し、眼は大きくて、光を反射すると黄金色に輝く。若魚は、眼の前方
に1本のとげがあるが、
成魚では目立たなくなる。また、背びれ、腹びれ、臀びれなどの鰭
条が長く伸びることがあり、中でも背びれ軟
条は特に長くなる。水深100〜800mの岩礁に
生息し、未成魚は成魚のすむ水深よりも浅い所に多い。
また、夜間は表層近くに浮上する。産卵期は夏。体長50cm。漁場は大陸棚周縁部や海
底山脈周辺の深海に
形成され、未成魚では水深150〜250m、成魚では250〜600mで
多くとれる。一年を通じてとれるが、漁場となる
海域の水温が下がる9〜4月に、好漁とな
ることが多い。
 ■ 釣り
 水深400〜500mもの深海にタナがあり、最初の仕掛け投入に、「治具」と呼ばれる特殊
な仕掛け巻きを用いる。
キンメダイ釣りでは、この治具の扱いに慣れておくことが大切。また、2度目からの投入の
ために、船縁に仕掛け
を順序よく並べておかなければならない。深海の釣りでは、仕掛
けの投入や取り込みを、船頭の指示に従って
順番に行うことも重要である。以上のことが
うまく運ばないと釣りにならないばかりか、ほかの客にも迷惑をかけ
ることになる。仕掛けの
投入は1日平均7、8回だけなので、手さばきの善し悪しで釣果にも差がつく。
 タナが深いため、仕掛けを投入した後、オモリが着底するまで10分ほどかかり、道糸が
ふっとふけてサオ先が
一瞬止まる。これを見逃すと糸が止められず、根掛かりしてしまう。
キンメダイは底から10〜15mのタナで釣れ
ることが多い。着底したら5〜6m底を切り、タイ
ミングを計って2〜3mずつ上を探っていく。アタリはごく小さく、
見逃すことも多い。このた
め、慣れた人はあえて糸フケをつくり、道糸にじかに触れて深海からの反応を手で感
じと
る。 掛かったと感じても、船頭の指示を待ってから巻き上げること。キンメダイは水圧の変
化に対する適応
力が強く、水面でハリから外れると再び潜ってしまうので、取り込みは慎
重に、かつ速やかに行う必要がある。
餌はサバの身やブリやウツボの皮、イカなど。
 ■ 料理
 身は淡紅色でやや柔らかく、脂気がある割には、鮮度が落ちにくい。味はややくどいが
、甘味があっておいしい。
頭が大きいため、刺身にすると歩止まりが悪いが、あらは煮つけ
にするか、汁物の具にすると無駄がない。
煮物は、身離れがよくて食べやすい。
一晩おいて煮直すと、一段とおいしくなる。ほかに、照り焼き、蒸し物、椀種などに向く。

【 かぶと煮 】
 頭に塩をまぶしてしばらくおき、熱湯にくぐらせてから冷水か氷水の中に移し、汚れと鱗
を洗い流す。
酒、砂糖、しょう油、みりんに水を加えて薄めの味つけで煮る。残った汁でつけ合わせの
野菜を煮て添えるとよい。