Fishing Takeo

  イ サ キ
【別 名】ウズムシ、カジヤコロシ、テンツン
【漢字名】鶏魚、伊佐機、伊左幾
【英 名】THREELINE GRUNT
 ■ 魚形 ・ 生態 ・ 漁場
若魚には、体側に明瞭な3本の暗褐色の縦縞があるが、成長とともに不鮮明になる。成魚
は沿岸のやや深い藻場に
生息し、夜間、浅場に浮上して小魚や甲殻類を捕食する。幼魚
から若魚にかけての時期は、内湾のアマモ場や岩礁
付近で群れをつくる。産卵期は夏。
本州中部以南、朝鮮半島南部、東シナ海、南シナ海に分布する。全長40cm。
定置網、刺網、釣りなどで漁獲される。定置網などに掛かるのは主に夜間だが、月夜の晩
はあまり活動したいため、
多くはとれない。
 ■ 釣り
沖釣りの対象の中では、マアジと並んで総菜魚としての人気がもっとも高い。釣り方には、サ
ビキ釣りと、昔は手釣り
で行っていた片天ビン仕掛けの釣りとがある。「イサキはタナを釣れ」
という言葉があるが、イサキ釣りは、タナのとり
方で釣果が大きく左右される。
サビキ釣りでも片天ビン仕掛けの釣りでも、下ろした仕掛けを素早く数メートル巻き上げては
寄せ餌をまき、その中に
サビキや餌バリを入れて待つ。これでアタリがない時は、1尋(1.5m
)ほど上げて、この動作を繰り返し、釣れるタナを
探し出す。

釣り船では、ひと昔前は船頭が底から何メートルと指示したが、今では海面から何メートルと
いう場合が多い。後者の
場合は指示ダナより多少深く仕掛けを下ろし、いったん落ち着くのを
待って寄せ餌を振り出す。イサキの群れは型の大
きいものが上のタナにいて、しかも食いのよ
い時ほどタナが上がってくる。指示ダナを思い切って捨てて、徐々にタナ
を上げてみると良型
に恵まれ、数も伸びることがある。

磯釣りは、イサキが捕食のために浮上してくる夜間の釣りに分があり、電気ウキを使った仕掛
けを飛ばして沖めをね
らう。この場合もタナ決めが釣果を左右する。

いずれの釣り方でも、餌はオキアミやイカ、アオイソメなど。寄せ餌にはアミを使い、カゴからば
らばらと出るように7、
8分めまで詰める。

 ■ 料理
頭が小さく歩止まりがよさそうだが、わたが意外に大きく、大きいものでなければ、身が薄くて
刺身に
しづらい。大きいものは脂がのって刺身にするとおいしいが、小さければ煮つけや塩
焼きなどにして
食べた方がよい。

【 メキシコ風オーブン焼き 】

鱗、えら、わたをとり、塩、コショウ、レモン汁を振る。両面に4か所ほど切り込みを入れ、レモン
の薄
切りを挟む。ニンニクとタマネギ、ジャガイモを炒め、塩、コショウをして水を少し加え蒸し
煮にしたも
のを耐熱皿に入れ、上に魚をのせる。市販のサルサにオリーブ油を少々混ぜたも
のを塗り、パン粉
を振って、200℃のオーブンで20分焼く。

【 野菜あんかけ 】

鱗、わた、えらをとったイサキ2尾に塩、コショウを振り、小麦粉をまぶして170℃で揚げる。
もどした
干しシイタケ、ニンジン、たけのこの水煮、タマネギを炒め、ケチャップ大さじ2、鶏ガ
ラスープカップ1/2、
砂糖、しょう油各大さじ3を入れる。沸騰したら酢大さじ2と片栗粉大さじ
1を倍量の水で溶いて加え、
魚にかける。

【 皮霜造り 】

鱗を引いてから3枚におろした身にふきんをかけて、上から熱湯を注ぎ、手早くふきんをはず
し氷水
につける。水気をとって造りにする。